世界中でブームになっている現代ヨガのルーツ│ヨガの教え【四つの道・八支則】

フィジカル

アメリカでブームを巻き起こし、近年日本でも流行りのヨガ。

最近ブームのヨガってどこから来たの?

ヨガの基本的な教えって?

と気になっている方もいらっしゃるかと思います。

この記事では、現代ヨガのルーツ、伝統的なヨガの四つの道、ヨガの八支則についてご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 世界のヨガブームについて
  • 現代ヨガの元祖『ハタ・ヨガ』について
  • 伝統的なヨガの四つの道と八支則

ヨガの従来の目的や教えを学んで、 より効果的なヨガを目指しましょう。

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世界のヨガブーム

2000年代前半に米国のハリウッドセレブたちを中心に世界規模のヨガブームが起こってから、ヨガの人気はとどまることなく、 世界中でヨガ人口は年々上昇しつづけています。

元ヴィクトリア・シークレットのモデル、ミランダ・カーもヨガをするのが日課なのだとか♡

アメリカのACSM’s Health & Fitness Journal の発表した調査『WORLDWIDE SURVEY OF FITNESS TRENDS FOR 2021 』でも、ヨガは世界で人気のフィットネス・トレンドの15位にランクインしています。

世界各地で人気となったヨガ。

国連は正式に6月21日を『国際ヨガの日』と定め、2015年以降、世界各国で毎年さまざまなイベントが開催されています。

インドのモディ首相が提案したこの国際ヨガの日は、国連史上最速で採択されたことも大きな話題となりました。

ちなみに、6月21日にしたのは、この日が昼夜が同じ長さになる夏至にあたるため、心と体のバランスを重視するヨガを実践するのに最適だからと言われています。

現代ヨガの元祖ハタ・ヨガ

ヨガの三大要素と言われているのが、

  • ポーズ(アーサナ)
  • 呼吸(プラーナヤーマ)
  • 瞑想(ディアナ)

です。

この基本の三つの要素について詳しく知りたい方は、『ヨガって何?知っておきたいヨガの基本三原則│本来の目的と歴史を解説』を参考にしてみてください。

現代ヨガには、いろいろな種類のポーズ(アーサナ)がありますが、従来のヨガでは、ポーズ(アーサナ)は瞑想での座り方を意味しました。

しかし、瞑想で長時間座っているのは難しいため、これを補助する手段として、ポーズを取るヨガ『ハタ・ヨガ』が誕生します。

ハタ・ヨガでは、ポーズ(アーサナ)をとりながら、正しい呼吸(プラーナヤーマ)を行うことで、普段外側に向いている心を内側に向け、瞑想 (ディアナ) 状態を目指します。

現代に受け継がれているヨガは、この『ハタ・ヨガ』が基本となっているものがほとんどです。

伝統的なヨガの四つの道

伝統的なインドのヨガの目的は、身体的な面建てではなく、内面的な自己を深く探求することからはじまり、ヨガを生き方そのものに取り入れることです。

伝統的なヨガは主に大きく分けて以下の四つの道・流派に基づいています。

カルマ・ヨガ(Karma Yoga)ー行為のヨガー 

自分自身の行動の結果として利益や見返りを期待せずに、目の前に与えられた役割や目的を果たすことを重視した奉仕・行動のヨガ。例:ボランティア活動

バクティ・ヨガ(Bhakti Yoga) ー信愛のヨガー 

神聖なる存在に対しての信仰や深い愛を重視し、祈りや崇拝を通じて自分自身の感情を無条件の愛や献身に向かうように変えていくことを目的とした 信仰道のヨガ。例:マントラの唱和

ギヤーナ・ヨガ(Jnana Yoga) ー知識のヨガー

身体は使わずに、哲学的・知的な方法により、真実と真実でないものをはっきりと知ることで、真理に到達することを目的とした叡智道のヨガ。例:ヨガの経典から学ぶ

ラージャ・ヨガ(Raja Yoga) ー王のヨガ-

瞑想を中心としたアプローチで、心と身体をコントロールすることで神の意識に到達することを目的とした精神面のヨガ。八支則(はっしそく)の教えに基づいます。

『カルマ・ヨガ』、『バクティ・ヨガ』、『ギャーナ・ヨガ』の三つが人間の精神に関する教えなのに対して、『ラージャ・ヨガ』は、心身統一の方法に関する教えとなっています。

四つの道は、区別されているものの、お互いに重なり合っている面もあります。

アメリカでブームを巻き起こし、現在日本でも一般的に流行しているヨガは、四つの道の中でも実践的な『ラージャ・ヨガ』に基づいたものです。

現代ヨガとヨガの八支則

現代ヨガの基となったラージャ・ヨガは、ヨガの古典『ヨガ・スートラ』の中に出てくる『八支則(はっしそく)』という8つの段階・行法を軸としています。

八支則

  1. ヤマ(Yama)禁戒
  2. ニヤマ(Niyama)勧戒
  3. アーサナ(Asana)坐法
  4. プラーナヤーマ(Pranayama)呼吸法
  5. プラティヤハーラ(Pratyahara)感覚の制御
  6. ダーラナ(Dharana)集中・精神統一
  7. ディアナ(Dhyana)瞑想
  8. サマーディ(Samadhi)三昧、悟り

1段階目の『ヤマ』、2段階目の『ニヤマ』は、 瞑想への準備を整えるためのステップで、私たちの日常生活での行動や心の在り方に関する心得が記されています。

そして、3段階目の『アーサナ』で姿勢、4段目の『プラーナーヤーマ』で呼吸を調え、5段目の『プラティヤハーラ』で感覚を制御することができてはじめて6〜8段階目で瞑想に入ります。

現代ヨガの元祖と呼ばれている『ハタ・ヨガ』は、このラージャ・ヨガの一部分(3段階目の『アーサナ』と4段目の『プラーナーヤーマ』)に該当することが分かります。

ヤマ(Yama)禁戒

日常の中で人や社会に対して行ってはいけない5つの心得

アヒムサー(Ahimsa)非暴力、不殺生

人間や動物、いかなる生き物も殺してはいけない。行動、言葉、思考でいかなるものにも危害をあたえてはいけない。

サティヤ(Satya)正直、誠実

誠実であること。自分の利益を守るために嘘をついてはいけない。

アスティヤ(Asteya)不盗

他人の所有物、時間、信頼、利益などを盗んだり、妬んだりしてはいけない。

ブラフマチャリヤ(Brahmacharya)禁欲

欲望に溺れない。エネルギーの無駄遣いをしてはいけない。

アパリグラハ(Aparigraha)不貪

ものに執着しない。何かを過剰に所有しない。

ニヤマ(Niyama)勧戒

日常の中で守るべき5つの行為

シャウチャ(Saucha)清浄

自分の心と体をいつも清潔な状態に保つこと。

サントーシャ(Santosha)満足、知足

今自分の回りにあるものや与えられた環境を受け入れ、感謝すること。

タパス(Tapas)苦行、自制

心を強くする目的で、困難なことを実行すること。自分の目標に対して努力すること。

スヴァディアーヤ(Svadhyaya)読誦

心を調える働きを持つ書物(聖書、マントラなど)を読むこと。自分の心をよりよい方向に導いてくれる本を読むこと。

イシュワラ・プラニダーナ(Ishvarapranidhana)祈念、信仰

神様に信仰心を持ち、それに祈りを捧げること。自分でどうすることもできないことに対して、受け入れ、身を委ねること。

アーサナ(Asana)坐法

瞑想を深めるための理想的な姿勢を取る段階です。

瞑想に適した安定した快適な坐法を身につけるための練習のことを指します。

もともとは座法のみでしたが、現在では多くのアーサナ(ポーズ)があります。

アーサナの目的は、ゆっくりと呼吸を行いながら、一定のポーズを保つことで、瞑想状態を築くことにあります。

プラーナヤーマ(Pranayama)呼吸法

瞑想を深めるために、呼吸を整える段階です。

ここまでの行動的・身体的な準備段階から、心理的な段階へと入る掛け橋となります。

『プラーナ』とは生命エネルギーのことで、『アーヤ―マ』とはコントロールするという意味です。

目に見えないエネルギーをコントロールし、心を調整します。

プラティヤハーラ(Pratyahara)感覚の制御

外側に向いている五感の知覚を内側に方向付け、内的感覚を高める段階です。

感覚へ意識を深め、感覚を制御し、聖なるものに集中することで、心の穏やかさを取り戻します。

ダーラナ(Dharana)集中

意識を特定の対象物に長時間固定することができる段階です。

心が集中するほど一点に向かう大きなパワーが生まれます。

ここからの3段階、『ダーラナ』『ディアーナ』『サマーディ』で心の調整を行います。

ディアナ(Dhyana)瞑想

意識が積極的な努力なしに一方向に深く集中している段階です。

雑念がなく、無に近い状態になります。

サマーディ(Samadhi)三昧・悟り

ヨガの最終手段で、 自分が瞑想をしているという意識すらなくなり、

集中の対象との一体感を感じるようになります。

瞑想の状態をかなり長い時間維持できるようになったら、悟り(サマーディ)の状態に入ります。

まとめ

この記事では、 現代ヨガのルーツやヨガの基本となる教えをまとめてご紹介しました。

そのルーツや基本の教えを知ることで、普段何気なく実践していたヨガへの姿勢も変わってくるのではないでしょうか?

既にヨガに取り組んでいる方や、これからヨガを始めてみたいなと考えている方の参考になれば幸いです。

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