子供のスマホ依存は大人以上に深刻!その原因は?脳、心、体への影響

デジタル ウェルビーイング

近年、子どもの『スマホ中毒』や『スマホ依存』の問題が指摘されるようになりました。

子どもはスマホ依存症になりやすいって本当?

スマホの使い過ぎが子どもに与える影響って?

と不安に思っている保護者の方も多いのではないでしょうか?

この記事では、子どもがスマホ依存になりやすい原因と、スマホが子どもに与える悪影響についてご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 子どもがスマホ依存になりやすい原因2つ
  • 長時間のスマホ使用が子どもに与える影響
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子どものスマホ使用を禁じるシリコンバレーの親たち

スマホ依存症の特徴は、やめたくてもやめられないこと。

近年、子どもがスマホに執着するあまり、勉強がおろそかになったり、体調を崩したりなどのケースが増えているようです。

iPhone生みの親でもあるスティーブ・ジョブズは、自分の子どもたちのスマホの利用を厳しく制限していたと言われています。

これが極端な例という訳ではなく、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツも子どもが14歳になるまでスマホは持たせなかったと話しています。

テクノロジーが子どもの脳や精神に及ぼす悪影響をよく知っている、シリコンバレーのテック​企業の関係者の多くは同様に子どものスマホ使用に慎重だそうです。

シリコンバレーのテック業界で幹部を務める方々の子どもたちが通う私立学校では電子機器は使用禁止なのだとか‥

SNS やスマホを作り出した人たちだからこそ、子どもへの影響を誰よりも理解しているのでしょう。

スマホ依存は正式な精神疾患ではないため、明確な診断基準はまだ定まっていませんが、独自のチェックリストを公開している専門家も多いです。

子どものテクノロジーの使用が気になる方は、『子どものデジタル依存に注意!ネット依存の米専門機関による診断テスト』の記事も参考にしてみてください。

子どもがスマホに依存しやすい原因2つ

今回は新書『スマホ脳』から、脳科学の視点からみた子どもがスマホに依存しやすい原因を2つご紹介します。

スウェーデン発!世界的なベストセラー

『スマホ脳』アンダース・ハンセン

著者のアンダース・ハンセンさんは、スウェーデンの精神科医。原作はスウェーデン語で『Skärmhjärnan』。スマホが脳に与える悪影響も警鐘を鳴らしたこの本は、スウェーデンで大反響をよびました。

➊ スマホはドーパミン分泌の宝庫

人がスマホに依存してしまう原因の一つには、​『ドーパミン』という脳内物質が大きく関係しています。

ドーパミンは新しいことが好きで、『先がどうなるのかを知りたい』と脳が感じたときに分泌され、それを探求する行動を促します。

スマホやアプリは、そんなドーパミンが放出されるように設計されています。

新しいフォロワーができたかも‥

投稿に『いいね!』がついたかも‥

面白い動画がアップされたかも‥

という衝動からスマホを開きたくなるのもドーパミンの力なのです。

特に10代の頃はドーパミンの働きが活発で、新しいことをするたびに脳内でドーパミンが過剰に分泌されやすいと言われています。

❷ 子どもの脳はブレーキが未発達

おいしそうなケーキを目の前にしても、私たちは『ダイエット中だから』と我慢することができます。

この食べたい衝動をコントロールしているのが脳の前頭葉です。

洞察、共感、判断、衝動のコントロールを司る前頭葉は成熟が遅く、25~30歳になるまで完全には発達しないと言われています。

子どもは、ドーパミンの働きによってスマホに夢中になりやすいのに、それを抑えるためのブレーキは未発達な状態にあるんじゃ。

長時間のスマホ使用が子どもに与える影響

長時間のスマホ使用は、子どもの身体面だけでなく、学習や思考回路の発達の妨げ、うつなど、脳や精神面への悪影響を及ぼす危険性も高くなります。

脳への影響

長時間のスマホ使用は、子どもの言語知能の発達に悪影響を及ぼしたり、脳の発達に遅れを生じさせると言われています。

その理由としては、スマホの使用時に、脳の前頭前野の働きが抑制されてしまうことがあげられます。

この状態を長時間作ってしまうで、前頭前野の発達が妨げられてしまうのです。

前頭前野は、記憶や感情をコントロールし、生活していく上で大事な人間らしい思考や判断を育む役割をもっています。

そんな人間らしさを司る前頭前野の機能が低下してしまうと、感情のコントロール、我慢をする力も弱まってしまうので、よりスマホの使用を制限するのが難しくなってしまいます。

身体への影響

体への影響としては、睡眠障害、視力の低下、倦怠感、肩こりなどがあげられます。

特に問題視されているのが子どもの睡眠とスマホとの関係。

スマホを使用する時間が長くなると、子どもにとって大切な睡眠時間が削られてしまいます。

そして、就寝前にスマホから放出されるブルーライトを浴びると、睡眠の質低下にもつながってしまいます。

その結果、勉強への意欲や集中力の低下、記憶にも支障が出るということが分かっています。

睡眠への影響以外にも、目の疲れや視力低下、体を動かす機会が減り、運動不足による健康問題へつながる可能性が高まるという心配もあげられています。

精神への影響

スマホ依存が及ぼす影響は脳や体だけでなく、攻撃的になる、無感情、抑うつ気分、不安、ストレスなど、精神的なものも大きいとされています。

スマホの使用時間が長くなるにつれて、孤独感、寂しさ、絶望感といったうつ状態のレベルが高まることを明らかにした研究もあります。

特にスマホでSNSを使用する10代の子どもたちの方が、動画を視聴したりするだけの幼い子どもたちよりも精神状態への影響が大きいようです。

SNS上でフィルターがかかった他人の完璧な投稿と、自分を比べてしまい、自尊心の低下につながってしまうのです。

まとめ

この記事では、子どもが大人よりもスマホ依存になりやすい原因と、スマホが子どもに与える悪影響についてご紹介しました。

子どもは大人よりもスマホに依存しやすいということを理解した上で、スマホそのものを全否定するのではなく、子どもに適切な使い方を教えていくのが大切だと思います。

判断力が未発達な子どもに代わって、スマホの使用に『ブレーキ』をかけるためにも、スマホを使う現実的なルールを家族で決めて、スマホに依存しすぎない環境づくりを心がけることが重要なようです。

参考サイト

スマホが脳の発達に与える無視できない影響(東洋経済):

https://toyokeizai.net/articles/-/220685

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