YouTubeを見過ぎてしまう原因はAIのリコメンド機能にある?!

デジタル ウェルビーイング

YouTubeで特定の動画を見るだけはずが、関連動画に興味を惹かれてつい他の動画もみてしまう…

というような経験はありませんか?

どうやらこれには、 YouTubeがユーザーにおすすめの動画を提案するために活用しているAI搭載のレコメンド機能が大きく影響しているようです。

この記事では、YouTubeの視聴時間の長さとAI活用のレコメンド機能の関係についてご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • YouTube視聴時間70%以上がレコメンド機能から
  • 10人に8人がおすすめされた動画を視聴している
  • 徐々に長くて人気のある動画がおすすめされる

YouTubeを見過ぎ対策を知りたいという方は、『YouTubeの見過ぎを防止する対策方法6選!依存から抜け出したい方へ』の記事も参考にしてみてください。

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YouTube視聴時間70%以上がレコメンド機能から

世界中で20億人以上のユーザーを持ち、1日あたりの動画の総視聴時間10 億時間を越えるYouTube(ユーチューブ)。

この視聴時間の長さに大きく貢献しているのが、YouTubeがユーザーにおすすめの動画を提案するために活用しているAI(人口知能)レコメンド機能だと言われています。

YouTubeを開いた時の『ホーム画面』や検索した動画の視聴後の『次の動画』 に表示される、おすすめの動画は、 AIのリコメンド機能が膨大なコンテンツの中から選び出しています。

YouTubeの最高製品責任者(Chief Product Officer)のニール・モハン(Neal Mohan)氏によると、YouTube総視聴時間の70%以上が このAI が選び出した動画によるものだそうです。(※2018年のCNETの記事より)

パーソナライズされたおすすめ動画を表示することでユーザーに長時間の動画を視聴してもらうために、YouTubeは2012年からユーザーデータを用いたこのアルゴリズムを研究し始めたと言われています。

視聴履歴などに基づいて、ユーザーごとにパーソナライズされた 『おすすめ』の動画を選び出してくれるこのレコメンド機能の発達により、 その当時に比べなんと視聴時間は10倍にも増えたのだとか…

今やモバイル機器でのYouTube視聴セッションの平均時間は60分を超えており、これもこのレコメンド機能によるものだと言われています。

10人に8人がおすすめされた動画を視聴している

アメリカの調査機関ピュー研究所(Pew research)が2018年に公表したレポートによると、10人に8人のYouTubeユーザーがおすすめされた動画を『たいてい』または『たまに』視聴すると答えています。

その中でも、若いユーザーが特にリコメンド機能によっておすすめされた動画を視聴する傾向にあるようです。

YouTubeのリコメンド機能がおすすめする動画について理解を深めるために、 ピュー研究所は補足実験を行っています。

この補足実験の概要と結果については、次の章で詳しく見ていきます。

専門機関:ピュー研究所(Pew Research Center)

公式HP:https://www.pewresearch.org/

徐々に長くて人気のある動画がおすすめされる

ピュー研究所は、2018年に6週間かけて、YouTubeのおすすめする動画から174,117のランダムウォークを行うという補足実験を行っています。

この実験により、YouTubeはユーザーが再生した動画よりも長くて人気のある動画をおすすめ動画として『次の動画』に表示する傾向があることが明らかになっています。

ランダムウォークのステップ:

  1. 最初に、YouTube APIを使用して、研究者が識別できる少なくとも250,000人の登録者を持つすべての英語チャンネルのリストから合計14,509のチャンネルをランダムに選択
  2. チャンネルを選択すると、関連性、投稿日、評価、視聴回数のいずれかでランク付けされた、そのチャンネルの上位5つの動画のいずれかをランダムに選択
  3. 開始ビデオを選択した後、その時点でYouTube APIにリストされているように、そのビデオの上位5つのおすすめ動画から新しい動画をランダムに選択
  4. 合計5つの動画(最初のビデオと4つの後続のおすすめ動画)が収集されるまで、上記の手順が繰り返す

174,117のランダムウォークにより、346,086の動画に対しておすすめされた696,468の動画が実験の対象とされました。

※ 実験中、複数回おすすめされた動画もあっため、合計動画の数とは少し異なっています。

より長い動画がおすすめされる

実験の分析結果によると、YouTubeのレコメンド機能はどうやらユーザーに徐々に長い動画をおすすめする傾向があるようです。

この実験のランダムウォークで最初に再生した動画が平均9分30秒でした。

その後、おすすめ動画から最初にクリックした動画の平均時間は約3分長くなり、クリック毎に動画時間は長くなり続けます。

最後、5回目に再生した動画の平均時間は約15分となっています。

より人気のコンテンツがおすすめされる

実験の分析結果から、YouTubeのレコメンド機能が、ユーザーに徐々に視聴回数の多い人気の動画をおすすめする傾向があることが分かっています。

この実験のランダムウォークで 最初に再生した動画の平均視聴回数が800万回でした。

次におすすめされた動画の平均視聴回数は3000万回に増え、クリック毎に動画の平均視聴回数は増え続けます。

最後、5回目に再生した動画の平均視聴回数は平均で4000万回以上となっています。

まとめ

この記事では、YouTubeがユーザーにおすすめの動画を提案するために活用しているレコメンド機能について紹介しました。

  • YouTube視聴時間70%以上がレコメンド機能から
  • 10人に8人がおすすめされた動画を視聴している
  • より長くて人気のある動画がおすすめされる

YouTubeでおすすめされた動画をついつい見過ぎてしまうという方は、設定で『次の動画を自動再生』をオフにしておくなどして見過ぎ防止の対策を考えてみるのもいいかもしれません。

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