あなたが最後に自分の『心のケア』をしてあげたのはいつですか?
仕事や勉強、家事、育児に追われ、起きてから寝る直前までスマホをチェックする。
脳が疲れやすい生活が日常化している現代では、多くの人が心をうまく休められない環境に置かれています。
この記事では、そんな慌ただしい毎日の生活でストレスを感じている方に見て欲しいTEDのプレゼン動画3本をご紹介します。
これまで、『瞑想』と聞くとなんだか宗教的で、難しいイメージがあり、手を出しづらい感じがしますよね。
そこで今回は、現代社会で瞑想がなぜ必要とされているのか、瞑想の概念や方法などについて分かりやすく解説しているTED動画をまとめてみました。
必要なのは10分間の瞑想だけ
All it takes is 10 mindful minutes(必要なのは10分間の瞑想だけ)
Andy Puddicombe(アンディ・プディコーム)
内容:元仏僧のアンディ・プディコームさんが、1日10分間の瞑想を実践することで得られることや、瞑想そのものを分かりやすく解説している約9分半の動画です。
あなたが最後に10分間 全く『何も』しなかったのはいつですか?
スマホを触ったり、食事をしたり、過去や未来のことを考えたりせず、本当に何もしなかったのはいつでしょう?
人生の一瞬一瞬を心を通じて感じているのにも関わらず、現代を生きる私たちは自分の心を気遣うことよりも、流行のモノやコトに時間を使うことを優先しがちです。
動画内でプディコームさんは、そんな私たち現代人の心を洗濯機に例えて説明しています。
多忙な日常の中で、私たちの思考は洗濯機の水のように勢いよく回り続けています。
一日最低でも10分間だけは、そのぐるぐる回る洗濯機の中から抜け出して、外から水の流れを観察する立場に自分を置くというのがプディコームさんの紹介する瞑想方法です。
We can’t change every little thing that happens to us in life, but we can change the way that we experience it.
私たちには 物事1つ1つを変えることはできませんが、それをどう経験するかを変えることはできます。
~ ANDY PUDDICOMBE(アンディ・プディコーム)
瞑想と聞くと、『無の状態になる』、『悟りをひらく』など、難しいイメージを持っている方も多いかもしれません。
プディコームさんによると、実際の瞑想とは生まれては消えていく自分の思考を距離を置いて観察することなのだそうです。
浮かび上がる思考を評価せずに、ただ見つめることで、自分の心に向き合うことができ、新たな視点で物事を見ることができるようになるのです。
洗濯機の中では余裕がなくて見えなかったことが、洗濯機の外から中を観察することで見えるようになるということです。
何も考えないで無の状態になるというのは難しそうだけど、自分の考えを観察するって考えると出来そうな気もする‥
瞑想を実践し続けることで、集中力、平静さ、明確さを感じ取ることができようになるとプディコームさんは言います。
プディコームさんの本『からっぽ! 10分間瞑想が忙しいココロを楽にする』『The Headspace Guide to Meditation and Mindfulness』は、ビル・ゲイツさんが発表した、2018年おすすめな本5冊の中にもランクインしています。
静かに佇むこと
The art of stillness(静かに佇むこと)
Pico Iyer(ピコ・アイヤー)
内容:世界中を旅してきたピコ・アイヤーさんが、気が散ることの多い現代だからこそ、あえてどこにも行かずに、静かに佇むことで得ることのできる素晴らしい見識があるということを自らの経験をもとに解説する約15分の動画です。
夢だった仕事に就き、世界中を巡ってきた作家のアイヤーさんは、29才の時に夢の生活を捨てて、『自分の真の幸せは何か?』を理解するために、人生をやり直すことを決断して京都へ引っ越しています。
そこでアイヤーさんは、携帯やテレビや車を持たない環境で、一番必要としていた『自分だけの時間』を手に入れることができたのだそうです。
そんなアイヤーさんが一番行きたい場所は、『どこでもない(nowhere)』なのだそう‥
忙しい現代を生きる私たちが最も必要なのは、どこかに出かけるのではなく、立ち止まって、静かに座る(= 休息する)ことなのだという意味です。
インターネットが普及し、繋がり過ぎる現代、気が散ることの多い今だからこそ、立ち止まって、静かに佇むことで、自分の内面を旅することができます。
シリコンバレーのIT業界で働く多くの方たちも『ネット安息日(Internet sabbath)』を生活に取り入れて、毎週24時間〜48時間をオフラインで過ごすことで、オンラインとのバランスを保っているのだそうです。
TEDの公式サイトでは、他にも
など、アイヤーさんのプレゼン動画を視聴することができます。
瞑想がいかに現代人の生活の支えになるか
How mindfulness can help you to live in the present(瞑想がいかに現代人の生活の支えになるか)
Takafumi Kawakami(川上 全龍)
内容:副住職 川上全龍さんが、現代社会を生きる私たちが瞑想から得られる効果や、瞑想の概念をマインドフルネスや禅の視点もまじえて分かりやすく解説している約10分半の動画です。
あなたの心は今どこにありますか?
私たちの心は、ほとんどの場合『今この瞬間』ではなく、過去や未来に向きがちです。
それにより、過去の出来事にとらわれたり、まだ起こってもないことを心配したりしてしまうのです。
動画内で川上さんは、マインドフルな生活へ一歩踏み出すための大切なポイントを2つあげています。
- 『今この瞬間』に意識を向けること。現在の行動が過去を作り、未来にも影響しているため、『今この瞬間』に意識を置くことが大切なのだという意味です。
- 『客観的』な視点を持つこと。物事の良し悪しを評価せずに、客観的な視点で出来事を見つめることが大切だという意味です。
そして、マインドフルネスに生きるための方法として『瞑想』を動画内で紹介しています。
瞑想を実践し続けることで、リラックス、集中力を向上、セルフコントロールなどの効果か期待できるそうです。
英語で禅道と瞑想を世界に発信する禅僧として有名な川上さん。
現在は、ハーバードやMITなどのビジネススクールの学生、グローバル企業の社長などにも禅を教えてるようです。
2016年に『世界中のトップエリートが集う禅の教室』という本を出版しているので、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
この記事では、人生の質をあげるのに、参考になりそうなTEDの動画を3本紹介しました。
- 必要なのは10分間の瞑想だけ
- 静かに佇むこと
- 瞑想がいかに現代人の生活の支えになるか
肉体疲労と違い、脳や心の疲労は、なかなか実感できないためついついSOSを見逃してしまいがちです。
ストレス社会の中で、穏やかに生きていくには身体だけでなく、心のメンテナンスにも時間をかけていきたいですね。