LUSH(ラッシュ)がSNSの利用を一斉停止したワケ|賛否両論の声

デジタル ウェルビーイング

カラフルなバスボムが有名なイギリス発ナチュラルコスメブランド『 LUSHラッシュ 』。日本全国にも店舗を展開しているので目にしたことがある方も多いかと思います。

そんなLUSHラッシュが、自社のSNSのアカウントを世界中で一斉停止することを決断したのをご存じですか?

この記事では、世界中で公式SNSアカウントの利用を一斉停止するというLUSHラッシュの大きな決断の理由と、その決断に対する一般の声についてご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • LUSH(ラッシュ)がSNSの利用を世界中で一斉停止したワケ
  • LUSHジャパンの今後のSNSの利用状況
  • LUSHのSNS一斉停止に対する一般の声
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LUSHがSNSの利用を世界中で一斉停止

世界で900店舗以上を展開するコスメブランド『 LUSHラッシュ 』が、2021年11月26日をもってFacebookフェイスブックInstagramインスタグラムTikTokティックトックSnapchatスナップチャットWhatsAppワッツアップ5つのSNSアカウントを一斉停止することを決断したことが世間で話題となりました。

現時点では、YouTube ユーチューブTwitterツイッター など、その他のSNSは継続利用していく予定のようです。

LUSHラッシュ は、1995年にイギリスで設立されたナチュラルコスメブランドで、カラフルなバスボム、スキンケア商品、固形のシャンプーバーといった化粧品が人気を集めています。

LUSHラッシュは、動物実験をしていないことを確認できた会社からのみ原材料を買い付け、一つ一つの商品をハンドメイドで製造されていることで知られています。

商品の材料には、新鮮なオーガニック野菜やフルーツ、エッセンシャルオイル、安全性の確認された合成物質が使われているといいます。

『エシカル(倫理的)』や『サステイナビリティ』などの言葉がトレンド化するよりも前に倫理的な行動を追求してきたLUSHラッシュ

今後は『サステナビリティ(持続可能)』の考え方を超え、持続しながらも新たなものを創出する『リジェネレーション(再生)』へ移行するべき!という考え方をいち早く事業に取り入れているのが見受けられます。

今回は、そんなLUSHラッシュがなぜ公式SNSアカウントを一斉停止することを決めたのかに焦点をあてていこうと思います。

ラッシュジャパンのSNSは?!

LUSHラッシュ が展開する48の国・地域の中でも3番目に規模が大きい日本市場。

LUSHラッシュジャパンは、今回停止を発表した5つのSNSのうちの3つ( FacebookフェイスブックInstagramインスタグラムTikTokティックトック )でアカウントを保有しています。LUSHラッシュジャパンのブランドアカウントと全国の店舗がそれぞれ独自に運営するアカウントが停止の対象となるようです。

LUSHラッシュジャパンのSNSアカウントは、『なりすまし』などを防ぐために、削除はされないようですが、そのまま更新がストップするそうです。

完全に反SNSになるわけではなく、今後 LUSHラッシュジャパンは国内で TwitterツイッターLINEライン を活用していくようです。

その他にもGoogleマイビジネスで地域ごとにラッシュの各店舗から情報を発信したり、メールを通して購読者に最新の情報を届けることでコミュニケーションを図っていくといいます。

LUSHがSNSを停止するワケ

今回の LUSHラッシュの決断は、2021年9月に世間を騒がせたFacebookフェイスブック社の元社員Frances Hauegenフランシス・ホーゲンさんによる内部告発が大きなきっかけとなったようです。

その内部告発の内容を簡単に述べると、Facebookフェイスブック 社が自社のプラットフォームがユーザーの心身へどれだけの悪影響をもたらしているかを知りながら、安全よりも自社の利益ばかりを優先した経営を繰り返しているということ…

Facebookフェイスブック のアルゴリズムは、ユーザーをつなぎとめるために『意図的に』ヘイト(憎悪)に満ちた過激なコンテンツを優先して表示していることも明かされました。また、Facebookフェイスブック傘下の Instagramインスタグラムでは、特に10代の若いユーザーが自分の体形関するイメージやメンタルヘルスを悪化させるという内部調査の結果が存在していたようです。

Facebookフェイスブック社は、そのような問題を認識しながらも、不都合な調査結果を意図的に隠し、何も対処をしてこなかったそうです。

セルフケアをプロモーションするバスボムなどの商品を販売し、若い女性が顧客層の中心となっているLUSHラッシュ。今回の内部告発で明らかになったことは、LUSHラッシュがSNSにとどまることを正当化できないことを示すものだったといいます。

LUSHラッシュの最高デジタル責任者(CDO)で商品発案者でもあるJack Constantineジャック・コンスタンティンさんは以下のように述べています。

バスボムの開発者として、私は人が電源をオフにして、リラックスし、自分たちのウェルビーイングに気持ちを向けられる商品作りに全力を注いでいます。一部のSNSプラットフォームは、人々にスクロールさせ続け、スイッチオフやリラックスができなくなるよう設計されたアルゴリズムを使っており、これはラッシュの考え方と真逆の考え方です。

Jack Constantine(ジャック・コンスタンティン)|CDO チーフ・デジタル・オフィサー兼商品開発者

自分たちの顧客を安全でないSNSに誘導するのはLUSHラッシュの信念に反するという判断のようです。

SNSアカウントをオフラインにすることは、企業にとって収入減につながる可能性が高く、それはSNSを通して1000万ポンド(1300万米ドル)もの売上を生み出しているLUSHラッシュも例外ではありません。

しかし、LUSHラッシュの最高経営責任者(CEO)のMark Constantineマーク・コンスタンティンさんは、その売り上げを失うリスクを認めつつも、SNSがメンタルヘルスに与える破壊的な影響に注意を向けることになるなら『1000万ポンドを失っても構わない』とLUSHラッシュならではの姿勢を示しているようです。

私は生涯をかけて、人に害を与えるような原材料を商品に入れないようにしてきました。SNS利用時に私たちが危険にさらされているという証拠が、今や数多くあります。私は自分のお客様をこのような環境にさらしたくありません。今こそ行動を起こすべき時が来たのです。

Mark Constantine(マーク・コンスタンティン)|CEO 共同創立者兼商品開発者

これを機に、LUSHラッシュはSNSの利用に関する新たなポリシー『ソーシャルメディアポリシー』を策定し、全世界のラッシュで展開。

5つのSNS(FacebookフェイスブックInstagramインスタグラムTikTokティックトックSnapchatスナップチャットWhatsAppワッツアップ)がより安全な環境をユーザーに提供できるようになるまでLUSHラッシュはこの姿勢を継続するつもりだそうです。

LUSHのSNS一斉停止に賛否両論の声

今回のLUSHラッシュのSNSのアカウントを一斉停止する決断について、ネット上では賛否両論の声があがっています。英語圏で利用されている掲示板サイトRedditのフォーラムやTwitterでは、さまざまな意見が飛び交っていました。

その中でも、次のようなLUSHラッシュのSNSのアカウント停止を残念がる声や否定的な声、今後のカスタマーサポートに不安を抱く声が多くみられました。

『地元のLUSHラッシュがインスタグラムで配信してくれる投稿が好きだつたから残念。商品についての質問もコメント欄ですぐに答えてくれたのに‥』

『多くの店舗スタッフがインスタグラムで有益な情報をまとめているので、この件はそれを少し軽視しているように思えます。LUSHラッシュそれを考慮したのだろうか‥』

『時には、SNSが私の問題を解決してくれる唯一の方法だったのに‥』

『SNSの撤退を聞いて悲しくなりました。とにかく、私たちがLushや他の人々とつながり、交流できるような代替案があればうれしいです。』

『SNSを削除する理由がよくわからない。』

一方で、LUSHラッシュの行動を応援する次のような声もありました。

『私は彼らのやっていることは素晴らしいことだと考えています。もっと多くの企業がSNSに圧力をかけていくことを望みます。』

『もっと多くの人に知ってもらいたい。この行動から、LUSHラッシュは応援する価値のあるブランドだと思う。』

『数ヶ月前にインスタグラムを辞めてから、とても気分がいい。ストレスの原因になっていたことに気付きました。LUSHラッシュよくやった!』

『SNSは、人々を自分が価値のない存在であると感じさせ、やる気をなくさせるように仕向けています。私は、LUSHラッシュのようなブランドを見習ってほしいと思う。』

まとめ

この記事では、LUSHラッシュが世界中で自社の FacebookフェイスブックInstagramインスタグラムTikTokティックトックSnapchatスナップチャットWhatsAppワッツアップ の5つのSNSアカウントの利用を一斉停止すると決めたワケを紹介しました。

世界中で多くのフォロワーを集めているSNSアカウントの利用を停止するという、ラッシュの大きな決断に驚いた方も多いのではないでしょうか?

今回のLUSHラッシュの決断に対しては賛否両論あるかと思いますが、LUSHラッシュがこのような形で企業としての姿勢を表したことで、『現在のSNSのあり方』について人々に考えさせるきっかけになったのではないかと思います。

今後のLUSHラッシュの動きにも注目していきたいですね。

参考サイト

ラッシュは一部のSNSからサインアウトします(LUSH):https://www.lush.com/jp/ja/a/lush-is-becoming-anti-social

「危険な場所にお客様を誘引するのは私たちの信念に反する」Facebook、Instagram、TikTokなどからの撤退を決断したLUSH、広報担当に聞く(ABEMA Prime)https://times.abema.tv/articles/-/10006769

Lush CEO says he’s ‘happy to lose’ $13 million quitting social media. ‘We’re talking about suicide, not whether someone should dye their hair blonde’(Fortune)https://fortune.com/2021/12/01/lush-quit-social-media-executive/

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