ホット・ヨガの元祖といわれている『ビクラム・ヨガ』をご存じですか?
ビクラム・ヨガは、 世界中で多くの人を魅了しているヨガで、多くのハリウッド女優やセレブの間でも人気を集めています。
この記事では、そんなビクラム・ヨガについての基本情報をご紹介します。
この記事では、YouTubeをパソコンのブラウザから視聴する際に大活躍のプラグイン「DF Tube」の使い方をご紹介します。
※この記事の後半部分『ビクラム・ヨガの創立者』の部分には、2019年11月からNetflixで配信されている、ビクラム氏についてのドキュメンタリー『ビクラムの正体: ヨガ、教祖、プレデター』に関するネタバレが含まれます。
ビクラム・ヨガとは?
インド・カルカッタ生まれのビクラム・チョードリー氏(Bikram Choudhury) によって考案された『ビクラム・ヨガ(Bikram Yoga)』は、医学的、そして科学的にも効果が高いと証明されたヨガです。
ここでは、
について見ていきます。
ビクラム・ヨガの特徴
ビクラム・ヨガは、温度約40℃以上・湿度40%の室内環境で、26種類のハタ・ヨガのポーズと2つの呼吸法を組み合わせて行うヨガです。
レッスンは一回90分と決まっており、その間に決まった順番で26種類のポーズを2回づつ取ります。
ビクラム・ヨガの大きな特徴は、レッスン中にインストラクターがポーズのお手本を取らずに、言葉のみでポーズを説明しながら生徒の指導をするということです。
これにより、インストラクターに視線が向くことなく、鏡に映る自分に集中することができます。
26のポーズと2つの呼吸法
ビクラム・ヨガの26種類のポーズと2つの呼吸法とその流れのリストです。
Standing Deep Breathing(最初の呼吸法)
① Half Moon Pose(半月のポーズ)
② Half Moon Pose with Hands to Feet Pose(足と手のポーズ)
③ Awkward Pose(椅子のポーズ)
④ Eagle Pose(鷲のポーズ)
⑤ Standing Head to Knee Pose (立って頭を膝につけるポーズ)
⑥ Standing Bow Pose(弓のポーズ)
⑦ Balancing Stick(英雄のポーズ)
⑧ Standing Separate Leg Stretching Pose(ピラミッドのポーズ)
⑨ Triangle Pose(三角のポーズ)
⑩ Standing Separate Leg Head to Knee Pose(足の親指をつかんで伸ばすポーズ)
⑪ Tree Pose(立木のポーズ)
⑫ Toe Stand(片足を膝に置いてもう片方のつま先で立つポーズ)
⑬ Dead Body Pose (しかばねのポーズ) シャバアーサナ
⑭ Wind-Removing Pose(ガス抜きのポーズ)
⑮ Sit Up(シット アップ)
⑯ Cobra Pose(コブラのポーズ)
⑰ Locust Pose(バッタのポーズ)
⑱ Full Locust Pose(完全なバッタのポーズ)
⑲ Bow Pose (弓のポーズ)
⑳ Fixed Firm Pose(仰向けの英雄のポーズ)
㉑ Half Tortoise Pose(半分の亀のポーズ)
㉒ Camel Pose(らくだのポーズ)
㉓ Rabbit Pose(うさぎのポーズ)
㉔ Head to Knee Pose with Stretching Pose(背中を伸ばすポーズ)
㉕ Head to Knee Pose with Stretching Pose(背中を伸ばすポーズ)
㉖ Spine-Twisting Pose(ねじりのポーズ)
Blowing in Firm Pose(最後の呼吸法)
ビクラム・ヨガの効果
高温高湿で行うビクラム・ヨガは、常温で行うヨガよりも、汗をかきやすく、
などの効果が期待できます。
また、身体的な効果だけでなく、ストレス減少など精神的な安定効果もあると言われています。
ビクラム・ヨガの公認資格
ビクラム・ヨガの公認インストラクターになるためには、6週間(500時間以上)もの徹底的な養成プログラムに合格して後、資格を維持するために3年に1度の更新が必要となります。
そのため、国、言語、インストラクターに関わらず、世界中どこへいっても同じ内容のビクラム・ヨガのレッスンを受けることができます。
ホット・ヨガとの違い
海外では、ビクラム・ヨガ = ホット・ヨガ となっている所も多いようですが、日本国内での一般的なホット・ヨガのレッスンは、ビクラム・ヨガのレッスンとは内容に違いがあります。
例えば、毎回の同じポーズと呼吸法を同じ順番で繰り返すビクラム・ヨガと違い、ホット・ヨガのレッスン内容はインストラクターや日によって異なります。
また、ビクラム・ヨガは1レッスンが90分と決まっていますが、ホット・ヨガのレッスンは約60分となっているところがほとんどのようです。
ビクラム・ヨガの創立者
ビクラム・ヨガの創立者ビクラム・チョードリー氏は、1970年代にアメリカへ渡り、次々とビクラム・ヨガのスタジオを立ち上げ、ビクラム・ヨガ(ホット・ヨガ)を世界中に広めていきます。
ちなみに、 ビクラム氏は、 1970年2月には日本にもヨガ教室を開設しています。
ヨガ界のカリスマとして一躍有名になったビクラム氏ですが、その後、2010年代にセクハラやパワハラ行為を告発されて表舞台から姿を消します。
2016年にアメリカの裁判所から被害者の方々に賠償金を支払うように命じられますが、賠償金を払わずに、アメリカ国外に逃亡し、その後も世界各地で活動を続けているようです。
この一連の騒動の後に、海外のビクラム・ヨガのスタジオの多くが、ホット・ヨガに名前を変更しています。
ドキュメンタリーのあらすじと予告編
そんなビクラム氏についてのNetflixドキュメンタリー『ビクラムの正体: ヨガ、教祖、プレデター』の配信が2019年11月からスタートしました。
このドキュメンタリーでは、ビクラム・ヨガ誕生の経緯、ビクラム氏が成功を収めるまでの様子、そしてセクハラやパワハラ騒動の裏側が描かれています。
ちなみに動画内で、ビクラム氏は『グル(guru)』と呼ばれることが多いですが、これはサンスクリット語で『教祖、教師、指導者 ( गुरु)』を意味します。
原題:Bikram: Yogi, Guru, Predator
制作国・年:アメリカ (制作2019年)
作品時間:86分
ジャンル:ドキュメンタリー映画
公式ページ: https://www.netflix.com/title/80221584 (Netflix)
多少のネタばれありの感想
ドキュメンタリーとしては良作でした。
収録されていた関係者のインタビューが、被害に遭った方々の意見とビクラム氏を慕っている方々の意見、ちょうどよいバランスで入っていたように感じます。
ただ、私もヨガに取り組んでいる一人として、このドキュメンタリーを観て、少し複雑な気持ちになりました。
ビクラム氏を慕って、信じてついてきたインストラクターや関係者の方々、そこで被害に遭ってしまった方々のことを考えると胸が痛みます。
このドキュメンタリーに描かれているビクラム氏の行為は、古くから伝わるヨガの基本的な教えに背くものばかりです。
ちなみに、ヨガの古典 『八支則(はっしそく)』で、最初の段階『ヤマ』に記されている 日常生活の中で守るべき5つの心得がこちら…
ヨガをお金儲けや権力を持つ手段として使い、他人を傷つける
というのはここに記されている心得とは全く正反対の行為です…
とはいえ、ビクラム・ヨガの効果そのものが多くの人に認められているのも確かです。
スキャンダルがあったのにも関わらず、今でもビクラム氏が世界中で開催しているレッスンにたくさんの人が集まっているのもそれが理由なのだと思います。
まとめ
この記事では、ビクラム・ヨガに興味のある方に向けて、
- ビクラム・ヨガについて
- ビクラムヨガの創立者について
をまとめてご紹介しました。