TikTok(ティックトック)が危険とされる理由6つを徹底解説

デジタル ウェルビーイング

今流行りの『TikTokティックトック』を自分も利用してみたい、もしくは子どもが利用したがっているという方も多いのではないでしょうか?

TikTokの利用を考えた時に気になるのがその安全性。

TikTokが危険ってよく聞くけどどうして?

TikTokは見るだけなら安全?子どもに利用させるのは?

といった不安を抱いている方へ。

この記事では、TikTokが危険だと言われる理由を6つまとめてご紹介します。

この記事を読んでわかること
  • TikTokが危険だと言われる理由

TikTokを安心して利用するためにも、この記事を通して、TikTokに潜んでいる危険性を事前に知っておきましょう。

Sponsored Links

理由1:プライバシー関連のリスク

人工知能を使用してユーザーの興味や好みを分析し、各ユーザー(利用者)にパーソナライズされたコンテンツや広告を表示しているTikTok。

他のSNSと同様に、TikTokはユーザーに関する多くの情報を集めています。

TikTokの現在のプライバシーポリシーでは、クリエイターであろうと、動画を見るためだけにアプリを使用していようと、ユーザーがTikTokを利用している時の行動や利用しているデバイスに関する一定の情報を収集するとしています。

プライバシーポリシーの、『当社が利用する情報の種類』の項目を一部抜粋したのがこちら。

… 当社は、オーディオオプションをレコメンドし、ほかにパーソナライズされたレコメンド内容を提供するため、お客様がユーザーコンテンツの保存またはアップロードを選択するかにかかわらず、作成、インポートまたはアップロード時に、プリロードを通じてユーザーコンテンツを収集します。お客様がユーザーコンテンツにエフェクトを適用する場合、当社はお客様のユーザーコンテンツのエフェクトを含まないバージョンを収集することがあります。当社は、表示される物や風景、顔の画像内の存在や位置および身体的特徴·特質、音声の特性、ならびにユーザーコンテンツ内で話される言葉のテキストを特定するなどして、お客様のユーザーコンテンツの一部である画像や音声に関する情報を収集することがあります。

TikTokプライバシーポリシー(更新日:2021年6月2日

つまり、TikTokは、動画の中に入り込んだ『物や風景』、『顔や体の特徴や特質』、『音声の特性』、『動画内で話される言葉』などを特定して、その情報を収集・処理すること権利をもっていることになります。

そして、その対象にはアップロードした動画だけでなく、TikTok上で作成して保存した動画や編集前の動画も含まれるようです。これは何だか怖い気もします‥

また、次の部分は、クリエイターだけでなく、動画を見るだけのTikTokユーザーにも当てはまるかと思います。

… 本プラットフォームの利用に関する情報(例えば、お客様が本プラットフォームをどのように利用するかに関する情報(お客様に表示されたコンテンツ、お客様が見た広告、お客様が閲覧した動画、およびお客様が遭遇した問題に対し、お客様がどのように行動するか、お客様が好むコンテンツ、お客様が「お気に入り」に保存したコンテンツ、お客様がフォローしているユーザー、ならびにお客様がどのようにフォロワーと交流するかを含みます)も収集します。

TikTokプライバシーポリシー(更新日:2021年6月2日

TikTokはユーザーが見た広告や動画に対してどのように行動しているか、フォロワーなどとどのように交流しているかなどの情報も集めていることが分かります。

理由2:セキュリティ関連のリスク

TikTokはプライバシーの問題のほか、つい最近まで安全なHTTPS通信ではなくHTTP通信を使用していることも問題としてあげられていました。

安全なHTTPS通信と違って、HTTP通信は情報が暗号化されないので、通信の内容が盗聴されたり、不正に取得・改ざんされるリスクがあるのです。

TikTokは、複数のセキュリティ企業によって多くの脆弱性を持つ『リスクの高いアプリ』としてあげられ、ハッカーが簡単にTikTokのアカウントを手に入れ、そのコンテンツを操作できる状態だったことも明らかになっています。

ユーザーから大量の個人情報を集めているTikTokは、多くのハッカーにとって魅力的な存在。ユーザーの情報を守るためにも、今後TikTokがセキュリティにも力を入れていくことを期待したいですね。

理由3:政治的な圧力

TikTokは中国発のアプリということから、ユーザーの個人情報が中国政府に渡るおそれがあるとして、世界各国で政治的な議論の一部となってきました。

その背景には、中国では国家の要請があれば、企業や個人は国家へあらゆるデータを提供しなければならないとする国家情報法が制定されていることがあります。

そのため、国家安全保障やプライバシーの懸念から、国家レベルでTikTokの使用を制限している例も出ています。

  • 2019年12月|アメリカ政府はTikTokによる国家安全保障上のリスクを強く懸念し、アメリカ陸軍、アメリカ海軍、アメリカ空軍、アメリカ海兵隊と沿岸警備隊に対して、政府支給の端末でのTikTokの使用を禁止。
  • 2020年6月|インドは国家安全保障とプライバシーの問題を理由にTikTokを含む59種類の中国アプリの使用を禁止。
  • 2020年7月|TikTokは香港から撤退。その理由としては、香港国家安全維持法が施行されたことにより中国へのデータ提供が避けられなくなったためではないかと推測されています。

TikTok側は『これまでユーザーのデータを中国政府に提供したことはなく、今後要請された場合も提供しない』と説明しているようです。

ちなみに、TikTokのアプリは中国では利用が禁止されている代わりに、それに類似したショート動画投稿アプリ『抖音(ドウイン)』が展開されています。

理由4:不適切なコンテンツ

TikTokはコンテンツ・モデレーション(投稿監視)が行き届いていない状態で、未成年のユーザーが不適切なコンテンツにさらされていることも問題視されてきました。

コンテンツ・モデレーションとは、ユーザーがSNSなどに投稿したコンテンツ(書き込み、画像、動画等)を監視する業務のことで、不適切な内容のコンテンツを削除したり、投稿したユーザーをアクセス禁止にしたりなどの処置を行うことでSNSを健全な状態に保つ役割をもちます。

欧州消費者機構(BEUC)は、TikTokは有害なコンテンツや広告から未成年のユーザーを保護できていないと警告をしています。

その他にも、2020年にリークしたTikTokの内部関係者向けのポリシーから、モデレーター(監視人)が『醜い外見』のユーザーが投稿した動画はおすすめに出てこないように指示されていたことも大きな議論を呼びました。

TikTokの定義した『醜い外見のユーザー』の中には、小人症を含む先天性の病気、不自然な体型、不細工、シワだらけ、眼疾患、ビール腹など、かなり細かく指定されていたようです。排除の対象には、貧乏そうなユーザーも含まれ、動画に映り込んだ背景から貧困地域で撮影されていないかなどがチェックされていたのだとか‥

この差別的なポリシーは、人々の大きな反感を買うことになりました。

理由5:危険なチャレンジ動画の流行

TikTokの人気が上昇するにつれ、ここ数年の間にTikTokでは、数多くの危険なチャレンジが流行してきました。

危険なチャレンジ企画に参加したユーザーが、TikTok動画の撮影中に事故を起こすケースが相次いでおり、世界各地で大きな問題となっています。

これまでに次のような未成年の死亡事故も起きています。

  • 2020年8月|アメリカで15歳の少女が、TikTokで「ベナドリルチャレンジ」に挑戦中、花粉症などのアレルギー症状を和らげる薬のベナドリルを過剰摂取して死亡。
  • 2021年1月|イタリアで10歳の少女が、TikTokで「ブラックアウトチャレンジ(失神チャレンジ)」に挑戦中、自らの首をベルトで絞めて死亡。
  • 2021年3月|アメリカで13歳の少女が、TikTokで話題の動画のまねをして上半身に大やけどを負い、救急搬送される。
  • 2021年5月|パキスタンで19歳の男性が、拳銃自殺のまねをする動画を撮影中、実弾入りと知らずに引き金を引いて死亡。

TikTokでは、ハッシュタグ(#)を使った危険なチャレンジが拡散してしまったり、もっと『いいね』や『フォロワー』を集めたいという思いから動画が過激化していく傾向にあるようです。

このようなチャレンジ系の動画は若者の間で流行することが多く、TikTok利用対象年齢外の子ども(13歳未満)による事故が起こっているケースも目立ちます。

理由6:投稿動画の悪用や個人情報の流出

TikTokは投稿するのが動画だということもあり、学校の制服や撮影場所などから居場所が特定されやすい情報が多く映り込んでしまう可能性が高いというのも事実。

投稿した動画から、学校、バイト先、家などの個人情報を特定され、『ストーカー被害』や『個人情報流出』といったトラブルに巻き込まれてしまうケースもあるようです。

TikTokに限ったことではありませんが、一度動画をネット上にあげてしまうと、投稿者が動画を削除してもネット上からその動画か確実に消えるとは限りません。

投稿者の許可なしに、動画が違法ダウンロードされて、動画が思わぬところに拡散されてしまうこともあるので、公開範囲の設定を見直しておくことが大切です。

また、TikTokの規約で利用が禁止されている13歳未満の子どもが、保護者の知らないうちに他人とメッセージをやりとりし、性犯罪などに巻き込まれる事件が日本でも増えているようなので注意が必要です。

まとめ

この記事では、TikTokが危険だと言われる理由を6つまとめて紹介しました。

➊ プライバシー関連のリスク

❷ セキュリティ関連のリスク

➌ 政治的な圧力

➍ 不適切なコンテンツ

❺ 危険なチャレンジ動画の流行

➏ 投稿動画の悪用や個人情報の流出

TikTokは「動画」という多くの情報を含んだコンテンツを投稿するSNSなので、TwitterやInstagramよりも注意を払って利用する必要があるかと思います。

Tiktokを利用する前に、その危険性について理解を深め、安全にTiktokを楽しむことができるような対策をしておくようにしましょう。

※TikTokの流行に伴い、ユーザーを狙った詐欺事件も増加しているので、今TikTokで増えている詐欺の手口とその対策についても知識を深めておくのがおすすめです。

参考サイト

TikTok privacy and security – Is TikTok safe to use?(Kaspersky):https://usa.kaspersky.com/resource-center/preemptive-safety/is-tiktok-safe

醜い顔はNG? 事実であれば、TikTokはとんでもないことをしている(ITmedia ビジネスオンライン)https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2003/26/news020.html

TikTok、子供に不適切コンテンツを無防備に開放-欧州消費者機構(Bloomberg):https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-27/R1MOO2T0G1KW01

タイトルとURLをコピーしました